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家族を繫ぐ純喫茶、父が残した優しい仕掛け

小説
朝井リョウさんの『星やどりの声』(角川文庫)
どんなストーリー?

星型の天窓がある喫茶店「星やどり」。海沿いの町で、駅前の商店街から少し離れたところにあるビーフシチューとコーヒーが看板メニューのその喫茶店を営むのは、三男三女母ひとりの早坂家。
6人きょうだいそれぞれの章があり、子どもたちの目線で、亡き父への想いや家族に起こる変化が描かれています。

しっかり者の長女、ちょっと頼りない長男、外見は似ているけど性格は正反対と言われる双子の二女と三女、元気な二男、小学生なのにどこか大人びている三男、そんな6人きょうだい。

長女の琴美は26歳、末っ子の真歩は小学6年生。
兄弟姉妹の会話の軽やかさが読んでいて心地よく、友達との会話のテンポやそれぞれの年代で抱える葛藤がリアルで、とても共感できます。

「星やどり」ってきれいな響きの言葉だな、というのが私のこの本への第一印象なのですが、この言葉には喫茶店の店名というだけではない特別な仕掛けがあります。

「星やどり」という言葉が気になる方、温かい家族の話を読みたい方、海沿いの町の夏のキラキラとした空気に触れたい方、そんな方におすすめしたい1冊です。