本ページはプロモーションが含まれています。

探しものが必ず見つかる不思議なコンビニ

小説
村山早紀さんの『コンビニたそがれ堂』(ポプラ文庫ピュアフル)
どんなストーリー?

不思議なコンビニを舞台にした 5篇+エンディング の短篇集。
駅前商店街のはずれ、古い赤い鳥居のそばに、夕暮れどきにいつの間にか開店しているコンビニ「たそがれ堂」。心からの探しものがある人だけがたどり着けるというそのお店には、どんなお客さんがやって来るのか。そして何を見つけていくのか。

元の本は児童書で、それを大人向けの文庫版にするにあたり、文章や描写が追加されたそうです。シリーズ化されていて続編も多数あり、最新刊は2021年6月に発売された『コンビニたそがれ堂異聞 千夜一夜』となっています。

私がこの本に出会ったのは10年ほど前なのですが、それ以来何度も読み返している、思い入れのある本のひとつです。「あんず」の篇が昔から特に好きです。

コンビニというある意味とても“現実”らしい場所で起こる、“魔法”ともいえる出来事。お客さんたちは探しものと一緒に悲しい気持ちを抱えていることも多く、読んでいて切なくなる場面もあるのですが、「たそがれ堂」の“魔法”がそんな気持ちを優しく包んで、前向きな気持ちに変えてくれます。

自分が「たそがれ堂」に出会えたら、棚には何が並んでいるだろう、そんな想像をするのも楽しい、心温まる物語が詰まった1冊です。

「風早」の街をほかの作品で知っている、という方にもおすすめです。

風早かざはや」とは

『コンビニたそがれ堂』シリーズだけでなく、『カフェかもめ亭』や『天空のミラクル』など、村山早紀さんの多くの作品の舞台となっている街。